最高なX Japanとそのツンデレ戦略

Pocket

ミュージックステーションスーパーライブを見た。なんと4時間生中継。

テレビを見る習慣がどんどん失われる昨今で、新鮮な体験だった。

見た理由はもちろんX Japanだ。

<X JAPAN>17年ぶりテレビ出演 Mステ年末ライブでSPメドレー
x
(テレビ朝日から引用)

 

圧倒的なパフォーマンス、音楽、歌唱力。

今さら私が賞賛すること自体恐縮なことだが、それは本当に圧巻。

これまでライブでしか披露されていない、新曲HEROも実に良かった。


(この映像はX JapanのHEROではないが、ちゃんと音が出てるエックスのHERO動画が見当たらなかったので、Yoshiki クラシカルツアーから参考までにこちらを。これでも物凄く綺麗なメロディーですが、X JapanでToshiが歌っているやつは、これより百倍いいです。早くレコーディングされた音源が欲しい!)

 

実は私もX Japanの熱狂的ファンだ。

X Japanには、熱狂的なファンが多い。

それはなぜか?

 

もちろん音楽そのものが抜群にいい。

X Japanならではの伝説的なストーリーも満載だ。

ただそれと同時に、熱狂的ファンをつくるためのツンデレ戦略がある。

もちろんYoshikiがそれを戦略的にやっているのではないだろう。

だが実際にはそれが、本当によく機能している。

 

X Japanのすごい点は、圧倒的に自己中心的なことだ。

しかし、ファンはそれでもついていく。

それこそが愛だと、忠誠心だと感じるのだ。

 

例えば韓国での海外公演が決まったと聞き、私は航空券などを予約・購入した。

しかし、それは直前キャンセルとなり、私の支払ったお金は丸々無駄になった。

X Japanでは、こんなことは日常茶飯事だ。

ではこれで怒るのかというと、私は自分の「ファン力」が問われていると感じるのだ。

「これくらいで、私のX Japanへの愛は負けない!」

と勝手にその逆境を克服しようとして、エックスジャパンへの忠誠心を高めるのだ。

 

このツンデレ戦略はすごい。

企業もブランドエンゲージメントとして、ファンをつくるために是非真似するべきだ。

ただし下手にやると、多くのクレームを生み出し、ファンがどんどん離反する大失敗を招くだろう。

 

前提となるポイントはあくまで、その情熱と品質だ。

X Japanで言えば、音楽の品質が何より第一であり、それに向かうYoshikiの命がけの情熱とコミットメント。

そこで自分の音楽が世界一だという、圧倒的な自信がファンをさらにひきつける。

そして次に必要なことが、それが伝わるストーリーだ。

それがあるからこそ、私達は多少乱暴に扱われても、追いていこうとするのだ。

またエックスは、ヨシキはそこについてこれないファンはいらない、という姿勢も明確だ。

 

ビジネスでも同じだ。

圧倒的なブランドになるためには、第一に提供する商品やサービスが、抜群に優れていることが大切だ。

勿論こちらも世界一のブランドならば、世界一情熱を注いで、自信があるクオリティでなくてはならない。

そして優れているだけではダメで、その品質と情熱のストーリーを、お客さんに知ってもらい、体験してもらう必要がある。

これはエルメスとクリスマスで書いた、エルメスブランドでも同じだが、これこそ圧倒的ブランドの基本条件だ。

 

全ての人にファンになってもらうことはできない。

とことんエッジを立てて、それが好きな人がでてくるのが、熱狂的ブランドなのだ。

エックスの場合は、この圧倒的なブランドの基本条件の後に、徹底的なツンデレ戦略「ついてこれるものなら、ついてきやがれ!」が、ファンの信仰心増大に機能しているのだ。

ツンデレ戦略で振り回されることによって、ファンのM化が進み、ファン教育が進むのだ。

問題があれば、ある程、忠誠心が問われると感じるようになるのだ。

 

アルバムも出す、出すと言っているのに、復活から7年たってもまだ1枚も出ない。

それでも私達は待つ。

ライブをやるという情報もいつも直前だ。

チケットはプラチナチケットで入手も困難だ。

それでも私達は力の限り取りに行く。

こんな冷静にツンデレ戦略とかいいながら、すっかりそれにハマっていて、それが心地良い自分がいたりする。

 

We are X!

じゃなかった。

アリヴェデルチッ!