第二次世界大戦以来の、大規模な難民を引き起こしているシリア。
いまだ解決の出口は見えず、むしろ泥沼化している。
今回は日本の状況について。
その結果と、それに対する日本人の意識調査が、あまりにも衝撃的だった。
まずこれまでのエントリーで、中東地域や、アメリカ・ヨーロッパなどの対応を見てきた。
国民の半分以上が難民のシリア人はどこに向かうのか① (中東)
国民の半分以上が難民のシリア人はどこに向かうのか② (アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア)
翻って日本。
●日本の2014年の難民認定は11名
5000人が申請して、認定は11名。
11名!!!
他の国の難民受け入れ数を見てから、日本の現状を知ると、0をたくさんつけ忘れてしまったのかと思う。
日本が認めたシリア人の亡命申請はわずか3人。
コメントのしようがない人数だ。
日本に難民は存在しない、と言ってもいい数字だ。
日本の難民受け入れ、課題は 過去には1200人を受け入れた年も
この記事によると、誇らしげに特別に難民を多く受け入れた時は、1980年代とかなり昔で、それでも1200人、
1年に1人しか認定されないことも珍しくないと。
すごいね、日本。
●政治家には難民に興味がない
安倍首相「難民受け入れは?」と問われ「女性の活躍、高齢者の活躍が先」
タイトルだけで十分内容がわかるが、これ本当!?
移民と難民の差が理解できているのか、と不安になるようなコメントだ。
国際社会と連携とか、日本として貢献とか、一体どういう意味なのか、全く分からない。
欧米の仲間という意味ですは、彼らは難民に対して、万人単位の受け入れを表明している。
●日本はお金だけ出す
日本の国際貢献とはお金だけ。
特集ワイド:シリア難民問題 金だけ支援、入国はNO 「鎖国日本」に厳しい視線
「シリア、イラクの難民と国内避難民向けに約8・1億ドル(約969億円)を支援すると表明したのだが、難民受け入れには否定的な考え」
この議論は、湾岸戦争の時の議論が、デジャブする。
金を払って、面倒くさいことには蓋をする。
日本は相対的に金持ちではなくなっているし、日本国も借金まみれだが、今後もこんな感じなのだろうか。
●そもそも日本人は、難民のことなんてどうでもいいのか
「日本の難民受け入れどう思う?」という、このヤフーの意識調査の結果は衝撃的だ。
「受け入れ人数を減らした方がいい」が大多数。
減らすって、今回のシリア難民で仲良し欧米国家が万単位を受け入れる中で、日本が難民認定したの3人だよ!!!
どう減らすというのだろうか。
アンケートに回答している属性がだいぶ違うと思うが、日経新聞の読者の結果はちょっと違った。
ヤフーの質問もこの日経の(2)のように聞いていたら、随分違った結果だったと信じたい。
(参照: 日本経済新聞 「日本も難民を受け入れるべきだ」64%)
●オーストラリア人は難民をどう考えているか
最後に、今回1万2000人のシリア難民受け入れを表明したオーストラリアで、同じような国民の意識調査があった。
この調査では、12000人でも少ないと考える人が45%と最大多数。
(参照: 12,000 Syrian refugee intake expected to cost $700 million over four years )
日本との比較でコメントする気にはならないが、これを見るとオーストラリア、本当にリスペクト。
ドイツもそうだが、世界の痛みに本気で責任を持つという姿勢。
他人事を決め込まない姿勢。
「民度」というものがあるならが、その高さをしっかり見た気がした。
アリヴェデルチッ!