シリアは、日本とはなじみの薄い遠い国だ。
国際情勢に疎い日本のニュースでも、そんなシリアや難民、というキーワードを聞く機会が増えている。
そんな中この映像を見て、この話は書かない訳にはいかない、と思った。
たとえこのブログを読まなくても、この映像だけは見て欲しい。
もしかしたら、中東エリアは紛争が多い印象があるかもしれない。
ただ本気で血で血を洗う戦いをやっているのは一部の勢力で、大部分は争いと無縁でいたい、家族で平和に幸せに暮らしたい人たちだ。
●難民とは何か
1951年の「難民の地位に関する条約」による定義では、こうだ。
「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」
●シリアの難民はどこにいるのか
難民支援協会のサイトを参照すると、こんな図があった。
・オレンジ色:2011年4月~2015年7月に難民申請したシリア人が100人以上おり、さらに「第三国定住」という枠組みで難民キャンプなどからシリア人の受け入れを表明している国 ・黄色:「第三国定住」による受け入れは表明していないが、2011年4月~2015年7月に難民申請したシリア人が100人以上いる国 ・出典:EUROPE: Syrian Asylum Applications/UNHCR (2015/07)
(元の参照サイトはUNHCRだが、この図の方が見やすいので、上の図を使用)
●シリア難民はどれ位いるのか
驚くべきことに、国民の半分以上が難民となっている。
日本でいえば、6000万人以上が難民になるという状況だ。
この難民の規模は第二次世界大戦以来だ。
(参照先:上同)
●シリア難民はどこにどれ位いるのか(中東)
日々アップデートされる情報ではあるが、9/10アップデートののCNNの情報によれば、シリア難民の行先の国別人数は、
トルコ: 190万人
なんと難民の半分がトルコに!
レバノン: 110万人
国の人口が440万人なのに、この難民数!
ヨルダン: 63万人
イラク: 25万人
シリアの隣国だが、国境をちょっと超えてイラクに住む感じだろうか。そもそもイラク自体も大変な状況。
エジプト: 13万人
アラブ首長国 :25万人
近所地域であり、同じイスラム教の中東エリアは、やはりすごい数の難民。
人口の1/4の難民になったら、持続的サポートは難しいだろう。
しかし緊急の命に関わる重大な問題に、そうも言ってられない。
ここが難民問題の難しいところだが、中東もどこも難民を歓迎している訳ではない。
サウジアラビア: 0人
クウェート: 0人
カタール: 0人
バーレーン: 0人
石油資源豊かなリッチな近隣イスラム国家は、非情な現実だ。
ヨーロッパや日本が、この難民にどう向き合っているかは、次のエントリーで書く。
アリヴェデルチッ!