X Japanの伝説のギタリストhide(ヒデ)の新曲「子ギャル(Cogal)」が発売された。
1998年に亡くなってから、16年の年月を経てから発売される新曲。
嬉しい一方で、正直気持ち悪さもある。
始めに言っておくが、私はhideのファンだ。
まあまあ最近では、hide memorial summitのライブも、築地本願寺の13回忌も、hide MUSEUMも行った。
私なりに、hideとその音楽が好きだ。
だから、未発表の新曲が発売されることは素直に嬉しい。
hideっぽい楽曲だし、早速リピートで聞いている。
しかし同時に1ファンの気持ちとして、マーケティングの視点で、???な点もあり、複雑な気持ちになった。
これが今回のプロモーションの映像。
「hideの新曲を聴いてみませんか?」というタイトル。
この映像ででてくる感想は下記のようなものばかり。
「これ、本当にボーカロイドなの?」 「すごい!」
「ここまで再現できるなんてすごい」
「もっと機械的な音だとおもった」
「ボーカロイドなの?」
なんですか、これは。
曲の感想なんて、ほとんどない。
ボーカロイドというヤマハの技術がすごいという話ばかり。
誰がそんな話を聞きたいのか?
本当にどうでもいい。
この感想を聞いて、曲を買いたいと思う人がいるのか。
そして逆に、これはむごい。
hideの新曲を楽しみにしているファンに向かって、これは人工的にhideの声をとって作った偽物だと、アピールしている映像だ。
技術はすごいのかもしれないが、その技術だけプロモーションのVTRで賞賛して、何の意味があるのか。
逆に、「hideはもういないし、hideの曲も残ってないけど、それらしく作りました。」
ということだけが印象づけられて、悲しさと虚しさが残る。
その技術によって、hideの声を使って、何の歌でも歌わせることができるのかもしれない。
でもそれは機械であって、hideではない。
この映像を見ると、それを強く言われているようで、気持ち悪い。
ロッケンローラーが、勝手に自分の声を使って、色々な歌を歌わされたらどう思うだろうか。
同じようなケースで、マイケルジャクソンの新曲新アルバムが今年発売された。
ただこちらは、Amazonの商品説明によると、「“完全な形”で遺されたマイケルのVocal素材」と書いてある。
そういう意味では、これは本当にマイケルの楽曲と呼べるだろう。
hideもマイケルも、彼らの周りには、そのスーパースターのおかげで、生活していた人がたくさんいることだろう。
スーパースターは亡くなってもなお、新曲を出すし、CDを出しては、お金を稼ぐ。
今回のhideのCDには、新曲1曲に対して、既存の曲が15曲もついてくる。
本当に、そんな必要あるだろうか。
hideファンは熱狂的なファンが多いので、彼らはもちろんCDを買うだろう。
でも思う。
もう死後16年だ。
このタイミングで新曲発表なんておかしい。
テクノロジーでhideの声を再現して、現役シンガーとして歌わせるなど、そろそろやめてもいいのではないか。
hideは大好きだし、彼の音楽はまた聞きたいだけに、複雑な心境になる。
プロモーターもhideの周りの人も、もうちょっと考えて、hideを使って欲しい。
あー、せめてこのプロモーション映像さえ見なければなあ・・・。
アリヴェデルチッ!