コーヒーは健康にいいか?
一般的に健康にいいイメージがないコーヒーだが、日経新聞に先日こんな記事があった。
コーヒー、1日3~4杯のむ人は 心臓病死の危険4割減 国立がんセンター
コーヒーを飲むと、病気になりにくい。
これは真実だろうか?
この2015年5月7日の記事を一部抜粋させてもらう。
コーヒーを1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて心臓や脳血管、呼吸器の病気で死亡する危険性が4割ほど減るとの研究結果を、国立がん研究センターや東京大などの研究チームが7日、公表した。がんによる死亡との関連は見られず、全ての死亡の危険性で比較すると24%減だった。
1990年代に10都府県に住んでいた40~69歳の約9万人を2011年まで追跡し、生活習慣と日本人の主要な死因との関係を調べた。
コーヒーを飲む量が多いほど死亡の危険性は減り、「1日3~4杯」と答えた人は、狭心症や心筋梗塞などの心臓病で死ぬ危険性が「ほとんど飲まない」とした人に比べて36%低かった。脳内出血や脳梗塞などの脳血管病は43%、肺炎などの呼吸器病は40%低かった。
妊娠中はコーヒーを飲めなかったり、子どもにはコーヒーを飲ませたくないカルチャーがあったり、コーヒーには体に良いイメージがない。
でもこの記事を読むと、コーヒー飲むことが健康体のために推奨されているように感じる。
なんだか違和感がある。
その違和感の正体の1つは、コーヒーのメリットばかり語り、デメリットがないことだ。
コーヒー1日3-4杯といったら、結構な量だ。
それを飲むといいと言うならば、飲んだらどんなデメリットがあるのかも、情報が欲しいところだ。
一般的に、健康的なイメージがないドリンクであればなおさらだ。
ぐぐったらこんな記事が出てきた。
国立がん研究センターの記事だ。
こちらの記事の方が親しみがわく。
「現在コーヒーをたくさん飲んでいる人からの肝がん発生率が低いというのは、おそらく事実でしょう。しかしながら、現在よりもコーヒーを多く飲むようにすると肝がんの発生率が低くなるか否かについては、さらなる研究により確認しなければなりません。」
「どうしてコーヒーをよく飲んでいる人で肝がんの発生率が低くなるのかについては、実はまだよくわかっていません。」
結局日本経済新聞の記事が気持ち悪いと感じるのは、論理展開と、その表現の問題だ。
コーヒーをたくさん飲む人は、病気の確率が低い。
これが真実だとしよう。
しかし、病気の確率が低いことと、コーヒーを飲むことの因果関係が明らかになった訳ではない。
例えば、コーヒーを飲む人たちが、他の習慣や体質を持っていて、それが原因で病気の確率が低いという可能性もある。
その場合、コーヒーをたくさん飲む人は病気の確率が低いとは言えるが、病気の確率が低いのは、コーヒーをたくさん飲んでいるから、という訳ではない。
「逆は必ずしも真ならず」
というやつだね。
また最初に言ったように、本当にコーヒーのおかげで特定に病気にかかりにくくなったとしても、他の違う病気にかかりやすくなってしまうリスクなどについて、表記がない。
これではとても、客観的な記事とは言えない。
まるでスポンサーがついている、編集記事のようだ。
あ、別に新聞は客観的である必要ないんだっけかな?
この記事だけ見ると、研究チーム自体がもしやコーヒー会社からスポンサーを受けて研究しているようにすら、疑ってしまう。
嘘を書いている訳ではないのだが、実際20年間もかけて9万人にも調査した大リサーチなのだから、新聞はもうちょっと詳しく書いて欲しいところだ。
というブログを、コーヒーをグビグビ飲みながら書く私。
アリヴェデルチッ!