前回の投稿ではサロンについて書いて終わってしまったので、今回はジャーナリストの佐々木俊尚さん(@sasakitoshinao)と、スマートニュースの松浦茂樹さん(@shigekixs)のトークセッションから感じたことについて。
まず印象的だったのが、佐々木さんのメディアはプロセスになってきているという話。
この写真のメッセージには、こう書いてある。
「いまやメディアは単なる媒体ではない。プロセスであり、共同体であり、われわれが生きる空間そのものでもある。」
メディアは日本語では媒体であり、一般的には手段という意味だ。
目的があり、伝えるべき相手とメッセージがある。
それを伝えるメディアは、ただの手段でしかない。
そのメディアがプロセスであるという考え方は、現代的だ。
私はどちらかというと、インターネットメディアより4マス媒体の仕事をしていた人間だが、この解釈はとてもインターネット的で、だからこそ現代的に感じる。
ツイッターやSNSなど、インターネットの出現により、“メディア”が広がった。
そしてそのインターネットの価値は個人のエンパワーメントである。
個人のエンパワーメントとは、どういうことか?
いつも例えで話すのだが、インターネット以前、かつてテレビに出たり、本を出版したり、講演するのは、ビジネスマンでいえば、著名企業の社長などが中心だった。
それがインターネット以降、テレビに出たり、本を書いたり、講演をするのは、そうした一部の大物社長やカリスマコンサルタントだけではなくなった。
ツイッターやブログで人気がでれば、それで新しい仕事をしたり、本を書いたり講演したり、他メディアに出演するなど、インターネットからその外の世界に波及して活躍する時代になった。
こうして、これまで“埋もれてきた人材”が、活躍できる時代がインターネットによる“個の時代”なのだ。
情報量も圧倒的に増えた現在、その個が個性を持ち輝くために、ストーリーが求められる。
大量生産・大量消費の時代を超えて、成熟社会に入ってきた現在、ビジネスでも会社や商品のストーリーが求められる。
消費は多様化し、生活者の様々なニーズに答える一つのキーワードが、ストーリーというプロセスだ。
主にインターネット媒体を通じて発信される、このストーリーこそが、メディアがプロセスになったということなのだろう。
佐々木さんと松浦さんの対談では、こうした興味深いトークもあった。
・ウェブメディアにおいてテクノロジーやアルゴリズム、
・コンピューターはツールでしかない。
私もこうしたことは最近よく考える。
単純作業は機械が行うとなると、人間が価値を出せる分野はクリエイティブな仕事だ。
では、これが通説だが、機械にできない、クリエイティブな仕事とは何だろうか?
機械が学習から学び、成功への打率をあげることができるならば、AI(人口知能)は理屈上は、例えば「売れるコピーライティング」や、「売れる音楽」を作ることもできるのではないか?
売れるコピーを作る。
売れる音楽を作る。
こうして目的がある程度ハッキリしているものに関しては、AIは人間に置き換わる可能性を感じてしまう。
では本当に人間だけが価値を発揮するものは何か?
そこで私なりのキーワードが、ゼロイチ、遊びと文化、プロセス(ストーリー)だ。
いつの間にか、非常に興味深いテーマになってきたので、この話はまた次回以降も考察を深めていきたい。
やっぱ、こうしたリアルイベントで刺激を受けることも必要だね。
アリヴェデルチッ!