21世紀に入り、ソーシャルメディアという言葉がすっかり定着した。
最近では名刺代わりに、フェイスブックアカウント交換ということもある。
事実、友人知人ではもはやフェイスブックの連絡先しか知らない人も多い。
そういった状況で、フェイスブックアカウントが、何の通知もなしにいきなり消されたらどうだろうか?
つい先週、私自身にそんな事件に起こった。
突然ログインできなくなり、友人に調べてもらったら、こんな状況だった。
私の名前も写真もある日突然、抹消されていたのだ。
恐ろしい限りだ。
フェイスブックを最初に始めたのは2007年位だと思うので、facebookをやって、気づけばもう9年だ。
その9年の歴史が一瞬で消えたのだ。
写真や投稿などの思い出はもちろん、フェイスブックでしかつながっていない友人がたくさんいる。
私の場合海外の友人が多く、今となってはフェイスブックがなければ、1000人以上の海外の友人の、多くの連絡先はわからない。
二度と会えないかもしれないし、連絡もとれないかもしれない。
アカウントが突然勝手に抹消されるということは、多くの友人を失うということだ。
仕事も含め、フェイスブック上でやりとりすることも多くなった現在。
フェイスブックなどソーシャルメディアの大きな価値の一つが、つながることだ。
facebookの友人は、電話帳のようなものだ。
そういった意味で、フェイスブックはただのソーシャルメディアを超えて、社会的なインフラとなりつつある。
もちろん歴史を振り返れば、こうして圧倒的だと思われたサービスは、10年も持ちこたえられずに、コロコロ変わる。
マイクロソフトしかり、mixiしかり、覇権を握ったと思った勝者が、あっという間に変わるのも業界特性だ。
だからこそ、私は思う。
本気で人々に愛されて、長く使われるサービスになりたければ、その責任をしっかり果たさなくてはいけない。
今回、こうした問題にあたり、フェイスブックの問い合わせ窓口などを調べたが、驚くことに、皆無だった。
アメリカでも日本でも、フェイスブックに問い合わせのメールアドレスも、電話番号も存在しない。
カスタマーサービスなんて発想はまるでないのだ。
アカウントがハックされたことをレポートする仕組みがあるが、ここに必要事項を書いて連絡しようとすると、画面がホワイトアウトして完全にフリーズする。
ログイン画面も同じだ。パスワードを入れて、ログインしても、画面がホワイトアウトして完全にフリーズする。
その割には登録してあるメールアドレスに、「you have notifications pending」 「Here’s some activity you may have missed on Facebook.」というメールが毎日届く。
ログインもできないし、友人から見て、フェイスブックから私の存在自体抹消されているにも関わらず、ふざけているとしか言えない連絡だ。
そして何より、こんなにバグっていて困っても、フェイスブックにはそれを連絡する連絡先がない。
広告モデルで、利用者からお金をとっていないとはいえ、顧客に対応する窓口がゼロというのはどんな企業なのだろうか。
長く続いて愛されるサービスとなり、本当の意味で社会のインフラとなるためには、その責任を全うする意思と行動が必要だ。
当たり前のように使えているフェイスブックだからこそ、私達は普段そのリスクを考えない。
しかし今回の事件からわかるように、フェイスブックだけに特定の情報をおいておくことには、非常に危険だ。
あなたのアカウントも、ある日突然抹消されるかもしれないのだ。
アリヴェデルチ!