大塚家具・ニトリ・IKEAの3社体験比較。
大塚家具に続き、次はニトリ。
ここの率直な感想。
安い!
例えるならば、二トリは家具業界のユニクロ。
(最近のユニクロはちょっとずつブランドポジションを動かしていると思われるが)
私の購買体験からすると、この3社を比較したら、ニトリが圧倒的に安い。
その分、ニトリでベッドについて、店員のおばさんに聞いたら、全然商品知識がない上に、適当。
説明を受けたことと、表示が違ったので、「でもこう書いてありますよねえ」と言ったら、「ああ、そうなのね。初めて知ったわ。」と。
ニトリでは、こんなことをお客に言うのもご愛嬌な感じだ。
もちろん商品知識が豊富な店員もいるのかもしれないが、この程度でも許せると思えるのがニトリだ。
牛丼の吉野家に行ったら、サービスが多少雑でも、300円だからまあしょうがないかな、と思う。
でも高級フレンチで30000円払って、同じサービスだったら怒るだろう。
簡単に言うと、ニトリと大塚家具の差はここにある。
買うものがわかっていて、サクッと早く安く買いたい場合は、ニトリがおススメだ。
ニトリをユニクロで例えたが、ニトリのビジネスモデルは、原材料の購買から、製造や輸入、物流まで一気通貫音の垂直統合モデル。
これを大規模でやるから安くできる。
ビジネスモデルでいうと、IKEAもこれに同じだ。
それに比べて、大塚家具は他社ブランドの製品が多い。
ニトリやイケアが顧客との接触ポイントとなる小売り店舗を持つメーカーであることに対し、大塚家具は家具を仕入れてそれを売る、大規模家具小売り店と言えるだろう。
あまり議論されないが、メーカーと、仕入れてそれを売る小売店舗、そもそもビジネスモデルが違うのだ。
さて、最後にIKEA。
ここは購買体験が非常にユニークだ。
まずIKEAにちょっと行って、欲しい家具だけをサクッと買うということが不可能だ。
たくさんのショールームがある広いスペースを順々に、コースとして回らなくてはいけない店舗設計になっている。
普通にまわったら、軽く2時間近くはかかるのではないか。
多くの家具を買いたい、完全に新居・新生活に胸を躍らせながら行くにはいいが、机だけ、ベッドだけ、といった特定の単品などを買うことには向いていない。
どんなに買う気があってもなくても、店舗内をたくさん歩かなくてはならない。
イケアでは、店舗内をまわるうちに見つけた、机やソファ、ベッドなどの大きな家具は番号を控える必要がある。
そして最後に、倉庫で自分が欲しい該当する大きな家具を自ら探して、引っ張りだして、運ぶ必要がある。
イケアは価格もある程度安くて、デザインがいいとされているが、注意すべきは表示価格は全て、送料別・組立費別となっていることだ。
イケアはスウェーデン発祥の会社だが、大きな車で来て、買った家具を自分で持ち帰って組み立てる、という発想だ。
自分で買って、持ち帰り、組み立てる、というのが基本だ。
究極のセルフサービスの家具屋、だから安いのだ。
配送や組立てをお願いすると、どんどん価格があがってしまうので、注意が必要だ。
表示価格だけに気をとらわれず、家具の価格は自分のお願いしたいサービスも勘案して比較すべきだ。
イケアはDIY(Do It Yourself)ができるので安い方がいい、という顧客向けの店だ。
このコンセプトで問題ない顧客にはいいだろう。
一方、例えばお年寄りには、まず向いていない家具屋だろう。
たくさん歩かせることも、大きな荷物を自分で運ばせることも、有り得ないことだろう。
コースを回らなければならないという意味で、ディズニーランド的なエンタメとして楽しめる人にはいい店かもしれない。
そういうことが大変だと思う人は、イケアを代わりに買ってきてくれるビジネスがある、という話がある程、面倒な店とも言える。
以上、顧客としてみた、大塚家具、ニトリ、イケア。
3社3様でどこも強い個性があった。
安さ勝負でいうと、ニトリとイケアというイメージだが、個人的にはニトリの方が断然優れていると感じた。
家具自体も安いし、送料などのサービスも含まれていて、総合力ではニトリの方が上だった。
あと考慮すべきは当然家具のデザインや展示方法だ。
これはそうしたものをどこまで評価するかで、意見が分かれるところだ。
自分で家具のイメージがあるならば、生活スタイル、家具の使い方の提案を前面に出す、イケアは必要ないかもしれない。
逆にそれがなくて、北欧式のシンプルな家具が好きならば、イケアはいいだろう。
では最後に、現在経営方針で話題になっている大塚家具は、どこに向かえばいいのだろうか。
次はそれを考えてみたい。
アリヴェデルチッ!