そろそろ年末ということで、今年を振り返ってみる。
私は本が大好きだ。いい本は自分の世界が大きく広がる。
そこで自分なりに、今年の超おすすめビジネス書Best3を紹介してみたい。
ベスト1は、グーグル創業者のエリック・シュミット氏の著作。
「第五の権力—Googleには見えている未来」
グーグルの会長が書く、デジタルやインターネットがもたらす今後の世界についての著作。
著作者がグーグルの会長だというポジションを別にしても、読み物として本当に面白いし、未来について考えさせられる。
好き嫌いではなく、訪れているインターネットの“デジタル時代”の一市民として、知っておくべきことが満載の必読書だ。
もちろんグローバリゼーションの中の市民や国家、ビジネスという立場だけでなく、子どもを持つ親としての立場などでも、読む価値は大いにある。
インターネットがもたらすコネクティビティや、デジタルエンパワーメントが世界をどう強烈に変えるか。そのメリットやデメリット、リスクは何か。
キーワードとなるパーソナリゼーションとは何か。デジタル時代のIDはどうなるのか。そのプライバシーやセキュリティーの問題は何か。
もちろん音声認識や考え認識、3Dプリンター、ロボット、ホリグラフィーなどを使った未来感溢れる話もたくさんある。
しかし、この本をお勧めする第一の理由は、この「新しいデジタル時代(The New Degital Age)」において、何が本質的に大事になのかを考えさせられるからだ。
日本語版のタイトル「第五の権力」は意味合いとしてはいいが、一般的にわかりにくいし、キャッチーでない。
英語原題のThe New Degital Ageこそ、正に内容通りの本だ。
英語がOKな人は、英語版で是非エリック・シュミット氏の考えに直接触れて欲しい。
ビジネスマンに関わらず、これからの世界を生きる人のために、マストバイだ。
次のおすすめはこちら。酒井穣氏の著作。
「幸せの経営学」
特筆すべきは、「経営学は人を幸せにする学問である」という原点に立ち返って、書かれている点だ。
「利益は手段であり、経営学の目的ではない」
そうした姿勢で、経営学を改めて問い直し、マーケティング、戦略、イノベーション、リーダーシップなどについての考察が書かれている。
一般的なビジネスセオリーと違った視点で書かれている分、新鮮だ。一般概論から実戦的な話まで、どちらも自由自在に行き来するところが、穣さんらしく、さすがの一言。
リーマンショックを見て、正直金・金言い過ぎるビジネスにはうんざりしているが、ビジネスをする以上、しっかりと利益をあげることは必要なことだ。
通常のMBAでは学びえない視点で経営学が勉強でき、視野が広がる「買い」の一冊だ。
最後のおススメはこちら。ピーター・ティール氏著作。
「ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか」
今回おススメした今年の3冊の中で、最も話題になって売れた1冊だが、これもやはり本質論。
著者はペイパルの創業者で、いくつものビジネスで成功し、たくさんの肩書をもつ稀代のビジネスマンであり投資家。
ビジネスを行う時、起業する時、出資者としてベンチャーを応援する時に、何が大切か。
適当に利益を追うことではなく、長期的にも価値がある本質的な価値を独自視点で考える。
「同意してくれる人はほどんどいないけど、重要な真実は何か?」
など、著者なりの視点で、ビジネス論・起業論を切りまくる。
こちらも一般的なMBAのビジネス教科書とは違う視点で書かれていて、とても興味深い視点が目白押しだ。
こうやって紹介した3冊を並べてみると、どれも「本質論」の著作だ。
読み応えがあって考えさせられる本ばかりなので、まだ読んでいなければ、クリスマス・年末年始に是非ゆっくりと読んで欲しい。
アリヴェデルチッ!