読書は1人でするもの。
でも、それをたくさんの人で一緒にしたらどうなるか?
例えばスポーツの試合。
どちらのチームを応援するかで、試合は全く違って見える。
映画でも同じだ。
同じものを見ても、解釈が違うし、だから感想も違う。
本だって同じだ。
自分自身でも昔読んだ本が、今読んだら、随分違って見えることがある。
それは自分の知識や視野、経験が違うから、同じように見えないのだ。
同じ景色を見ても、同じ本を読んでも、人の数だけ解釈がある。
つまり、同じものに見えて、それは同じものではないのだ。
そう思ったので、やってみることにした。
1人で読書ではなく、大勢で読書したらどうなるだろうか?
こんな私の思いつき提案に集まってくれたのは、業界が大いにバラバラな8名。
んで、2冊の本を読んでみた。
今回読んだのは超有名なこの2冊。
5000円札だったので、知っている人も多いだろう、著者は新渡戸稲造。
日本人の精神性を海外に伝えるために書いたのが、この「武士道」だ。
そして「菊と刀」。
こちらも超有名な日本人本だ。
第二次世界大戦中に、敵国であったアメリカが、日本・そして日本人を理解するために、書いた本だ。
これを書いたルース・ベネディクトは、日本に行くことなく、これを書いたというのだからすごい。
たくさんの人で本を読んでみる集合智を実験してみたかっただけなので、正直テーマはなんでも良かった。
しかし今回の
日本人って何だろう?
というテーマ、それはそれで面白かった。
読んで話したことは、こんなこと。
・自分のどんな特徴が日本人ぽいか
・本を読んで、何を考えたいか。何を得たいか
・どれが一番日本人っぽい章か
・どの章が一番気になるか
・実際に読んで、腑に落ちた点、落ちなかった点
・今の日本人と比べて、何が違うか(武士道は1899年、菊と刀は1946年に書かれたもの)
・今後残すべき日本人的特徴と、改善すべき日本人的特徴は
例えば「武士道」でいえば、
武士道って何?
と正面から聞かれたら、うまく答えられるだろうか?
武士道の源がどこから来るのか、武士道はどう教育されたのか、とかその議論だけでも面白いが、武士道や日本人的特徴を本の中で1つ選ぶだけでも色々な意見があって、新鮮で面白かった。
同じ本を読んでも、やっぱり人は違うね。
その違いが面白い。
気づけば3時間以上、読んだり話したり。
たくさんの人で本を読めば、その人の数だけ、何倍も楽しい。
アリヴェデルチッ!