フィリピン投資セミナーに行ってきた。
フィリピンへの投資、ビジネス誘致を目的とするもので、フィリピンの大臣や、JETROなどがプレゼンをしていた。
なぜ私は、フィリピンに興味を持っているか?
東南アジアが本気でオススメの4つの理由で、一般的に東南アジア推しの理由は書いた。
その中でも、フィリピンに関心を持つ個人的理由は、こんな感じ。
・フィリピン人の素晴らしい友人が多い
・英語が通じる
・近い(片道4-5時間、マニラなら羽田便もある)
・安い
・ビーチカントリー
・ビジネスの可能性(人口が増加中な上に、若くて生産人口が豊富)
どうだろうか?
魅力満載ではないだろうか?
と言ってみたが、この投資セミナーでフィリピン側のプレゼンは、私どころではなかった。(笑)
フィリピンの圧倒的優位性が目白押しなプレゼンで、熱心な投資誘致姿勢は印象的だった。
でもジェトロ側の資料でも、インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム・ミャンマー・インドとの比較表で、
・人件費の安さ
・ワーカー・スタッフの雇いやすさ
・専門職・中間管理職の雇いやすさ
・従業員の定着の高さ
・ワーカーの質の高さ
・専門職・技術職の質の高さ
・中間管理職の質の高さ
・税制面での優遇措置
・言語・意思疎通上の障害の少なさ
において、フィリピンが投資先として一番評価されていて、驚いた。
ちなみに出典は下記とのこと。
(出所)ジェトロ 「在アジア・オセアニア日系企業実態調査 2014年10月~11月実施
私が特にフィリピンならではの特徴として、メモしたいのは2点。
1点目はOFW(Overseas Filipino Workers)の存在。
OFWは何かというと、フィリピンで海外就労している人たちのこと。
日本でも家政婦やパブで働いているフィリピン人というイメージはあるだろう。
こういう海外出稼ぎ労働者の人が世界中にいて、フィリピンにいる家族に送金して、フィリピン経済の個人消費を下支えている。
こうした海外送金額は、10年前に比べて約3倍以上となっており、2014年は240億ドル程度。
現在のレートでザックリ1ドル120円で計算すると、約2兆9000億円だ。
金額もすごいが、その増加っぷりもすごい。
フィリピンの2013年の名目GDPが2790億ドルであることを考えると、GDPの1/10がOFWからの海外送金だ。
OFWの送金元の国も、アメリカを筆頭に、カナダ、サウジ、英国、日本、UAE、シンガポールなど、幅広い。
香港に行ったことある人は、週末にフィリピン人家政婦がたくさん集まっている光景を見たことがあるだろう。
彼女達がフィリピン経済の一翼を担うOFWだ。
もう1点が富の偏在だ。
日本でも格差が話題になっているが、世界的には日本の格差はまだかわいいものだ。
フィリピンは場所でいうと、首都のメトロマニラに富が偏在し、この地域の一人当たりGDPは、余裕で他の地域の3倍以上ある。
これは日本で例えれば、東京の人だけ、他の地域の3倍以上金持ちという状況だ。
ジェトロの資料によれば、世帯収入が月額10万ペソ以上(1ペソ=2.3円計算なので、23万円)の世帯は全体の0.3%。
5万ペソ~10万ペソでも世帯の1%しかいない。
全世帯の91%が1.5万ペソ、つまり月額3万円程度の暮らしをしているのだ。
先ほどマニラが圧倒的にリッチな地域だと述べたが、これはマニラ全体がリッチな訳ではなく、圧倒的な富を持つ0.3%がマニラエリアに多いのだろう。
この状況を考えれば、海外に出稼ぎに出て仕送りをせざるを得ない状況も、理解がたやすい。
格差社会は多かれ少なかれ、どこの世界にもあるが、ここまで圧倒的な格差社会はフィリピンの一つの特徴だと言えるだろう。
アリヴェデルチッ!